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「韓国卓球」強さの秘密(2) 韓国の卓球の人気は?

14  韓国では実業団チームがそれぞれ世界を視野にいれ、常日頃から訓練をつみ、その中から選ばれた選手のみがナショナルチームの一員として、ビッグ大会に焦点を合わせさらに強化合宿で猛烈な訓練を行う。

 ただ、韓国では日本リーグや中国リーグのようなリーグは行っていない。リーグを行うのではなく、年に数回、スポンサーがついた○○カップを開催し、そこでしのぎを削っているようだ。

だが、韓国では現在、セミプロシステム」を勉強しているという。よりプロ的にし、韓国国内での卓球人気をあげることと、もちろん、中国を倒し、世界制覇をすることを視野に入れた施策である。

「リーグを通して最後にチャンピオンを決定するシステムを考えているが、実際に行うには難しさがある」と姜監督はじめ韓国の卓球関係者は慎重にすすめているようだ。だが、現役のオリンピックチャンピオンが存在することは韓国の卓球界にとっては大きなアピールとなる。ぜひそのシステムが実現し、成功を収めて欲しいと願う。

10  ところで、韓国国内で卓球の人気はどのくらいあるのだろうか?

「卓球選手としては劉南奎、金擇洙、玄静和に続いて、今は柳承敏時代といえます。柳承敏はスポーツスターとしてプロ野球選手やムービースターと同じく有名人で、とても人気があります。時々、テレビ会社から出演依頼がありますが、できるだけ断るようにしています。なぜなら、訓練に集中する選手生活をしているからです」

 柳承敏の場合、オリンピックチャンピオンなので、一般的にもかなり有名なようだ。だが、有名になったからといって決して傲慢な態度をとったり、天狗になることはない。言葉でうまく表現できないが、選手が有名になってもおごらないようにする伝統というか、今まで韓国の卓球人と接してきて、韓国には日本では忘れかけているそういう姿勢があると感じている。

13 国際大会の会場などで、韓国の選手が、だれからの指示もなく自然に全員が整列し、指導者や目上の人からの訓示を聞いている姿を見かけることがある。習慣的になっている部分もあると思われるが、周りのことを気にしていなければ、できないことだし、そういう礼儀が当たり前のことのようだ。

日本ではどうか。誰かが集合の号令をかけても集まりが悪かったり、ちゃんと整列できなかったり、人の話を聞く時も相手の目を見ることなく、上の空ということはないだろうか。

それは挨拶ひとつにしてもそうである。韓国の人の目上の先輩に対する態度や言葉遣いは、日本のそれよりも尊敬の念を感じることができる。宗教的なものや国民性の違いなどもあるだろうが、小さい頃からそういう教育を受けているのだろう。こうした部分もまた、日本は学び直さなければいけないのかもしれない。

11 話がちょっと横道にそれたが、柳承敏クラスの選手は年棒はどのくらいあるのだろうか?

 この部分については、詳しく話すことは難しいと姜監督。公式的には会社の社員。しかし、メーカーやスポンサーの契約、政府からの年金、プロツアーや賞金大会、海外リーグなどで獲得した賞金は、会社の年棒よりもはるかに多い。もしかするとプロ選手よりも多いかもしれないと話す。

オリンピック金メダリストであるから、そのくらいは当然かもしれない。

 卓球競技の人気は5〜6番目くらい。プロがある野球、サッカー、バスケットボール、バレーボールに加え、最近ではゴルフの人気も上がってきているという。

韓国では卓球をセミプロ化し、その人気を他競技にも負けないくらい高めようとしているわけだ。

ヨーロッパのリーグや中国リーグ等でプレーしている日本人選手が増えてきているが、韓国で訓練を積む日本人がでてきてもいいのではないかと思う。その訓練の厳しさだけでなく、韓国特有の礼儀や風習など学ぶべき点は多いはず。

 最後に姜監督にご自身の信念、好きな言葉を尋ねた。

12「選手を指導する時に常日頃から一番話すことは、新しい記録を作ることに挑戦しなさいということです。好きな言葉は、『人事を尽くして天命を待つ』という言葉です。つまり、毎日、毎時間ベストを尽くしていけば、結果はついてくると思っております」

国際大会などでお会いすると必ず先に握手をもとめにこやかに微笑んでくれる姜監督。取材を終えると選手が生活している施設を案内してくれ、選手と同じ韓国の昼食をふるまってくれた。

 さて、次回は韓国の強化システムがどのようになっているのかご紹介したい。