仲間に入ればトクをする! 用具とお店の総合サイト 卓球仲間
卓球仲間は、卓球を愛する皆様のためにさまざまなサービスを提供するためのサイトです。   店舗セール 卓球仲間ショップ検索 クローズアップレビュー 大会情報 リンク

無名のアスリート 越崎 歩(4) 「誰にでもチャンスはある」

31  平成14年度全日本選手権大会は、1218日から23日まで東京武道館で開催された。4回戦まで勝ち進んだ越崎の相手は前回準優勝で優勝候補のひとりだった小西杏。その小西を4−0のストレートで破ったのだ。

「そこまで行けたことで精神的にすごく満足していたので、ここで一発、小西さんに勝とうという気持ちはありませんでした。だから全然緊張しなかったし、ボールも素直なのでやりにくくなかったので、勝っちゃったみたいな感じでした」

 続いて長久保真弓を4−2で破り初のランク入りを果たす。

「小西さんに勝ってもランクに入れていなかったらNTにも入れなかっただろうし、海外の機会も少なかったと思います」

 確かにそうである。小西に勝ち、そして次も勝ちランクに入ったことでその後にチャンスを与えられることになる。もし、小西に勝ってもランク落ちをしていたら、その後のチャンスはほとんどなかっただろう。全日本のランキングは一つの基準、一流の証なのだ。

34 「自分の意識が変わりました。その頃は言われたことをやっているだけで、自分の戦術で自分の考えとかやらなければいけないこととか、そういう能力がたぶん高校時代から低かったと思います。でも、それからは自分でももっと勝ちたいという気持ちが出てきたので意識が少し高くなりました」

 勝つことで、全日本で小西を破りランキングに入ったことで自らの意識を変化させたのである。

 それから4年半、与えられたチャンスを無駄にすることなく、一歩ずつ着実に歩んできた。そして、国内選考会で優勝するまで実力を高めてきたのである。

「本当に誰でもチャンスはあるなと感じました。もちろん運はあったし、中国電力に入れてもらって、コーチに教えてもらって、監督や会社の人たちを含め、いい環境でやらせてもらえることがすべてです。

日本リーグで活躍している人は小学生の時から全国で活躍して、中学校でも、高校でも大学でも活躍している人ばかりです。それでも今こうやって会社入って、23、4、5才になってから同じ舞台に立てているので、“ああ、誰にでもチャンスはあるな”って思います」

35 「課題は3球目、攻めること。ラリーで負けることが多いので前半の1本目、2本目で自分が仕掛けていって相手を崩していかないといけない。普通のカットマンみたいにまず打たせて、ここで変化をつけてというパターンがないので、もっといいサーブを出さなければいけないし、日本リーグで何回もやっている人はわかっているので、ストップを多めにして打たせてくれないし、あえて打たせてからとか、みんなやってきます。それを一つ自分で越えないと勝てないと思います」と話す。32 さらに、「相手のボールが自分に合わない時に対応できない。合う時は自分のペースが作れるけど、ちょっと崩されると対応できない。試合の中で自分で思い切って戦術変更ができない。そういう不足だらけで、勝てそうな試合も結構あるんですけど、まだまだ力不足です」と課題はまだまだ山積みだ。

「今はチャンスがもらえているので、また、会社の理解もあるので、その機会があるうちは、上を目指したいと思います」

 よく早咲き、遅咲きと形容することがあるが、越崎はまぎれもなく遅咲きの選手である。高校まで実績がなくとも努力次第では日本のトップになれるというお手本だ。

“可能性はみんな一緒、それがいつ花開くかどうか”

越崎のような選手が数多く出現することを願いたい。

 

◆さて、自らの手で代表の座を射止めたアジア選手権で越崎は、女子団体でネパール戦に出場、見事に勝ち星をあげた。出場の機会はその一度だけだったが、日本女子チームは銅メダルを獲得。シングルスは3回戦に進出、シンガポールのリ・ジャウェイに敗れベスト32に終わった。

 この経験は越崎をまた大きくさせたことと思う。さらなる高みを目指し、己のスタイルを完成してほしい。

 ●…ところで、一般的には高校を卒業したら大学へ進学する選手が多い。それが普通だろう。だが、ここ数年の女子の全日本チャンピオンは帰化選手を除き、高卒だけである。平野早矢香、梅村礼、坂田愛、佐藤利香らだ。これら卓球に対する志が高い選手は高校卒業後、卓球だけの道を選んでいる。

 同じようなことはお隣の韓国でも行われている。というより、韓国はトップに立とう、世界で活躍しようという選手は100%、実業団チームに入る。実業団に入れない選手が大学に行く。つまり大学に行くようでは世界では通用しないと考えているようだ。

 次回は、韓国の卓球に対する考え方、強さの秘密に迫ってみたい。