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『十六銀行』@ 実業団チャンピオンチーム

01 今春、日本生命の紹介をしたが、強い日本生命でさえ年間の団体4タイトル(日本リーグ前後期、全日本実業団、全日本団体)のグランドスラムを達成することは非常に難しく、過去1度しか達成していない。

 日本リーグの中で現在、日本生命の対抗として堂々と君臨するのが今回ご紹介する『十六銀行』である。

8月2日()から5日まで群馬県のぐんまアリーナで第57回全日本実業団選手権大会が開催されるが、十六銀行はこの全日本実業団で目下、2連勝中である。

 そう、つまり王者日本生命のグランドスラムを阻止しているのは、まぎれもなく十六銀行なのだ。

今年の日本リーグ前期大会決勝は、やはり両者が対戦した。この時は2−3で惜しくも敗れたものの高橋美貴江が金沢に、西飯由香が岸田に勝ち決勝戦にふさわしい熱戦を演じた。トップの朱夢軍、ダブルスも接戦だったことを考えると日本生命を倒してもおかしくない内容だった。きっと選手自身も大きな手ごたえを感じたはずだ。

 その手ごたえを感じつつ、全日本実業団ではディフェンディングチャンピオンとして日本生命を迎え撃つ。

10  ところで、日本リーグで独走していた日本生命を止めたのも十六銀行だった。日本生命は破竹の9連覇を達成し、10連覇を目前にし、その大記録を十六銀行に阻まれたのだ。そして、この優勝は十六銀行にとって日本リーグの記念すべき初優勝となった。

「僕にとっても16年の日本リーグは初優勝でした。潮崎、柳絮飛が入ってきてメンバー的には狙えるんじゃないかという気持ちはあったが、大会を迎える前に、去年とは何かが違うなと、何かはわからないけど、何か感じていました。その時優勝して、ああ、こういう準備をすれば、僕が何をすればいいのかなというのは何となくわかった気がした。優勝するための準備はこういう感じかなと…」

河田靖司監督は当時を振り返る。

 平成16年前期熊本大会。第4戦で日本生命に対し十六銀行は新人の柳絮飛、潮崎が勝ち2−0でリードしたが、ここから惜しくも逆転負けをする。だが、リーグ2位で準決勝へ。腱勝苑を3−1で破り、決勝で再び日本生命と激突。柳絮飛、潮崎が勝ち、第4戦と同じ展開になる。

「ダブルスが勝負だと思っていました」

 河田靖司監督はこう優勝コメントを残しているが、第4戦ではダブルスが惜敗し、そこから逆転されたが、ここではゲームオール9本という接戦の末、梅村・岸田組を倒し、3−0で優勝を決めた。

 ダブルスで決勝点をあげた田勢美貴江は、「柳絮飛と潮崎が入り、ダブルスの組み替えもあり、ほかのチームと戦えるメンバーがそろいました。十六銀行は日本リーグで優勝したことがなかったので、優勝目指してみんなで頑張ったことを覚えています。初優勝の時は、最高でしたね。最初のリーグでは私がラストで岸田さんにゲームオール9本で負けました。でもリーグ2位で準決勝で健勝苑に勝って、最後は3−0で勝ちました。もう勢いでしたね。ノリノリでしたね」と回想する。

 この時の試合はよく覚えている。あの日本生命が負けるのか、と固唾を飲んで試合を見つめていた。香港ナショナルチームで活躍する柳絮飛の加入は確かに大きかった。まだ、帰化する前の金沢(満麗)を圧倒する破壊力を持っていた。潮アもリーグ戦では梅村、決勝では末益を倒し新人賞に輝いている。

 だが、ダブルスで決着をつけたことが大きい。もし、ダブルスで競り負けていたら再逆転されていたかもしれない。そういう意味ではリーグ戦で2−0でリードし、ダブルスを競って落とし逆転されたことが教訓になっていたともいえる。

 その時の田勢(当時は高橋)は、ダブルスで決めてやるといった気迫が伝わってくるほどのプレーをしていたと記憶する。

11  十六銀行は後期日本リーグでも優勝を飾り、この年は完全優勝で内閣総理大臣杯を獲得した。

「実業団では日本生命に負けて準優勝だったが、後期を迎える前も、また優勝する気がしたんです。根拠はないけど…」

 優勝することはどんな小さな大会でも大変なことである。まして、日本一をかけた大会では…。

十六銀行の日本リーグ初優勝の価値は、圧倒的に強い本命を破ったことでさらに高まり、後期も連破したことで本物と評価された。この2年間は日本リーグでは2位に甘んじているが、冒頭で紹介するように全日本実業団では2連覇中である。

「僕が監督になった時は、日本生命は本当にはるか雲の上だったが、日本生命のような強い目標になるチームがあるのは良かった」

 次回は、十六銀行の練習についてや、選手の素顔に迫りたい。