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樋浦令子(2) 「バックの強化が課題」

001_5  地味であまり目立たないが、選考会等で常に安定した実力を発揮し続けている選手がいる。

ミキハウスの樋浦令子」だ。

 女子の中でも小柄な体。それでもフォアハンドを武器に躍動感にあふれ、とてもアグレッシブなプレーをする。しかし、オーソドックスなそのスタイルでは頂点をつかむのは難しいのだろうか。

ここ数回の選考会では必ず優勝争いにからむのだが、いつもあと一歩のところで優勝を逃してきた。今回の世界選手権選考会でも2位に甘んじた。しかし、今回の世界選手権の選考基準はいつもとは違った部分があった。

 1)200612月発表の世界ランキング最上位者。これは福原愛(グランプリ)が権利を得た。

 2)選考会の優勝者。これは平野早矢香(ミキハウス)が優勝し権利を得た。

 3)全日本シングルス優勝者が代表となる。

 違った点は次である。上記1)から3)が重複した場合、選考会準優勝者を選考する。つまり、福原愛か平野早矢香が全日本で優勝した場合、選考会2位の樋浦令子が選ばれるという基準だった。

そして、平野が全日本で優勝したため、その瞬間、樋浦が代表に内定したのだ。

 ようやく世界の桧舞台に立つことができる樋浦令子にこれまでの心境と普段の生活、そして世界に向けての意気込みを聞いた。

―今回も選考会で2位だったが、福原か平野が全日本で優勝すれば2位でも代表という基準だった。選考会が終わり、全日本に向かう気持ちはどのような心境でしたか?

「もちろん、サヤカちゃんか愛ちゃんが優勝すれば代表でしたが、自力で勝ち取ることを考えていました。変なことは考えずに全日本では自分の目標に向かって自分のやり方で練習してきた。特に選考基準を考えることはなかった」

―選考会でずっと惜しいところで負け続けていたが、どういう気持ちでしたか?

「大体2位になっている時は同じ勝敗で、同率で2位なんですよ。結構つらいですけど、もちろん選考会の時は1位しか通過できないっていう規定だから、1位しか狙っていないし、そういうつもりで練習してきている。ただ、選考会の時は、試合数が多いので、とくかく1試合1試合、勝ち負け気にせずに自分ができることを必死にやるって感じで、1位に絶対にならなきゃって言うプレッシャーとかは今のところまったく感じていませんね。終わってみて結果を見て、そこでガクンと来ますけど…。でも、2位になって悔しいですけど、常に自分の全力で試合をやって、やりとげたといううれしさで結構、満足というか、やり遂げた自分に満足したことはあります。

もし、自分ひとりだったら、『また2位か、また3位か』って、これはやってても疲れるし、結局通過できないし、やってて意味あるのかなって思ってしまうかもしれない。でも、周りの人からいろいろ言ってもらったり、声をかけてもらったりして、毎回毎回、気持ちを整えて、いい方向に考えなら試合ができている。自分ひとりだけだったら、一気に10位くらいになっていてもおかしくない。そういうところはうまく周りの人が助けてくれています、精神的に。そのおかげで上位に入れるのだと思います」

―選考会を見ていて、技術だけでなく、安定度は抜群だと思っていました。いつももう少しのところで、負けて、でも、次の試合もまたがんばっていて。そんな姿が印象に残っています。でも、1位になることは大変なことなんですね。

「やっぱ、ずっと2位とか3位で、確かに選考会だけを見れば安定している方だとは思いますが、どこか自分に足りないところがあるからいつもそうなると思うので、それが何なのか、それをどのように解決、克服していくのか、それが大切だと思っています。自分ひとりだったらたぶんそう思えないが、周りの人が声をかけてくれるのでそう思える」

002_2  あと一歩のところで手が届かないもどかしさはあると思う。しかし、周りの人に支えがあるから、次の目標(試合)に向けて前向きに取り組めると話す。

 もちろん、全日本では自身が優勝すれば堂々と代表権を獲得したわけだし、平野か福原が優勝してもその権利を得ることになっていたので、敗戦後も優勝の行方は気にならないはずはない。

 ところで、樋浦は全日本では第1シードの金沢咲希(日本生命)を倒したのだが、後輩の石川佳純(ミキハウスJSC)に敗戦を喫してしまった。

―全日本では金沢に勝ったが、石川に敗れてしまいました。後輩だし、また、石川が注目されていたのでやりづらさみたいのは、やはりあった?

「全日本期間中に試合を応援しながら見ていたら、勢いがあると感じていたので、そういう意味では注意はしていた。朝一の試合だし、たぶん向かってくる気持ちがあるからそれに負けないように1セット目の出足とか大事だと思っていたからしっかり声出して、同士打ちとかは考えずに向かった」

―普段はミキハウスJSCとも一緒に練習しているの?

「はい、結構やりますね。特に全日本前は金沢さんと当たるのでかっちゃんとはよく練習していました。私だけかもしれないけど佳純だからかっちゃんって呼んでいます」

―それではやはり同士打ちみたいな感じだね…。

「私、同士打ちで負けることが多いので、同士打ちに弱いみたいですね。よく考えると」

 同士打ちの弱いのか、それとも優しいのか? もちろん同士打ちだからといって大事な勝負で手を抜いたり、気を抜くようなプレーをしているわけではない。でも、どこか彼女の優しさのようなものを感じてしまうのはなぜか…。

 次回、樋浦令子(2)では、彼女の普段の生活や今取り込んでいること、これまでの球歴などをお伝えいたします。